他人の体験した事を
聴いて
疑似的に体験した様な気になって
『感動』を憶える
そこには
自分は居ない
誰かの台詞に感化される人
誰かの言葉に影響される人
誰かの声に心酔する人
誰かの曲に踊らされる人
誰かの生き方に感動する人
自分達を『感受性』が強いと言っていた
では自分は?
知らない誰かに重ね合わせるだけ?
他人の人生に影響受けるだけで終わる人達・・・
どんどん
深みにはまって
もがけばもがく程
出られなくなって・・・
でも
この心地よさは
何だ?
背徳感の裏側の
甘い
果実
あの日
あの時間
あの場所に行かなければ・・・
貴女に話し掛けなければ・・・
貴女を拒んでいれば・・・
俺が
もっと強ければ・・・
血は
更に多くの血を求める
そして
全ての血が流れ
枯れ果てるまで
続く
『共犯』だねって
イタズラっぽく笑う貴女・・・
深みに嵌って
抜け出せない俺
イヤ
抜け出す事など
考えられない・・・
俺は
どっちなんだろうか
当然
『悪』なんだろう
『まだ人を殺めていない』というだけ
貧困
差別
『生きる』事が幸せかどうかも判らない生活
俺達、日本人には遠く理解できない日々・・・
拠り所は
思想
人種
宗教
それらを否定する事は
誰にもできない
貴女の事が織りたかった
貴女の全てが欲しかった
貴女に俺をあげたかった
でも
そんな望みは
叶う事はないんだね
こんな事なら
貴女の秘密など
織らなければよかった
貴女こそ
俺が
ずっと捜し求めてきたひとなのかもしれない
もっと
早く出逢いたかった・・・
サングラスを外して
よくよく回りを見渡したら
何だ
案外普通じゃないか
と思った
『生きる』ことすら
難しい時代
その日
生きている事を感謝していただろう
『生きる』事に
意味を求める現代
明日
生きている事を恨むのだろうか
何時か
ふたりで行こうね
と
計画を立てていた
旅行は
無期延期だね
頬を触れる風は
もう秋の匂いがした
夏は終わったんだな
早く忘れたい
忘れたくない・・・
俺は生きる意味を失った
自ら棄てた
君の優しさに甘えていた
子供だった
気付かないうちに
色々なものを貰っていたんだね
何時か
会う事があったら言おう・・・
『ありがとう』
何の為に生きる?
何の為に生きている?
誰と共に生きて行く?
君と居た季節が終わり
新しい季節が始まる
まだ
新しい恋は
始められそうにないよ・・・
幸か不幸か
俺は貧乏人の苦労も
金持ちの憂鬱も知らずに育った
都会のど真ん中に生まれ
何不自由ない生活
けど
贅沢な事だけど
満たされた事はなかった
・・・君に出会うまでは
雷鳴が轟き
スコールのような雨
街行く人は
恨めしそうに空を見上げ
走っていく
駅には家族が傘を届けに来てくれるのを待つ人だかり
俺は迷わず雨の街に
足を踏み出した
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